森林微生物学

【松田 陽介 教授】森の営みを支える菌根菌ネットワーク

植物の根とカビ・キノコのような類との関係は古く、植物が陸地に進出した4億年前に始まります。この関係を菌根共生といい、陸上植物の8割以上に見られます。マツやドングリの木の細い根は、この菌によりすっぽりと覆われるため根毛はありません。共生菌は土に伸ばした菌糸から養水分を吸収して樹木に渡す代わりに、樹木から光合成産物をもらいます。

菌根共生の【見える化】が森の世界を解き明かす

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里山に咲く無葉緑・緑色植物の菌根には、周囲に生育する樹木と同じ仲間の菌が共生することが遺伝子解析からわかりました。それらの光合成産物(炭素源)は共生菌に部分的もしくは完全に頼っていることもわかりました。背丈の低い、真っ白な植物や緑色植物の中には、菌の助けを借りて炭素をもらっているユニークな仲間がいるのです。潤沢な光を浴びて生育する大きな樹木と薄暗い森の中で生きる小さな草花が同じ仲間の菌を共有し、菌糸のつながりを介して様々な光環境に合わせて光合成産物を融通しあっているのかもしれません。


白色と黒色の菌根(矢じり)と菌根の輪切り.
青色部分は菌糸層

菌根菌ネットワーク

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社会連携
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